macOS High Sierraは使わない

試しに使ってみました。どんなものか興味があって。一番の期待は『APFS』。SSDに最適化されたとか言う噂のファイルシステム。高速化が進んだり、SSDの寿命が伸びたりしたら良いかなぁと思いまして。次の期待は『写真』。『Aperture』の開発が終了してしまいましたが、僕は同アプリケーションを気に入っておりましてシツコク使い続けて降りました。でも新しいカメラを買ったら、いづれはRAWデータに対応に追いつかなくなって不便になることは間違いないです。『写真』が『Aperture』の代わりになるまで成長してくれていたらイイなぁ、なんて思ったワケですよ。もっとも新しいカメラを追加で購入する予定はまったくありませんが。その他には、iOSを11にアップデートしたので親和性が上がっていたら良いなと。そんなワケで、家のMacを1台だけ『High Sierra』にしてみたワケです。

結果はあまり良くなく。すぐに今まで使っていた『El Capitan』に戻しました。あ、そうそう。僕は『Sierra』はスキップしていました。Macで使うSeriには興味なかったので。

理由其ノ壱:Apache周りの設定をやり直さなくてはならない

僕はローカル環境でのvirtual hostを使っており。でもソコまでApacheの設定に長けているワケでもなく。以前の環境でも、色々苦労して設定したワケなんですよ。予想はしていたのですが、『High Sierra』にしたら、virtual host周りが動かなくなりました。ちょっと見てみると、おそらくhttpd.confとhttpd-vhost.confを数行いじれば動きそうな予感はしたのですが。vimの操作を思い出すのが面倒でして。以前はファイルのPermissionをいじれば使い慣れた汎用のテキストエディタでも編集が可能だったのですが、その手も使えそうになかったので。環境のことで色々悩むのは心的なPOWERが必要なのですよ。

理由其ノ弐:『aLaunch』が動かない

僕は『aLaunch』というLauncherを使っておりまして。アプリケーションの起動より、フォルダのパスを覚えさせておりました。会社のNAS上に設定された案件ごとの保存場所のショートカットを記録しておくととても便利なのですよ。でもね、『High Sierra』にしたら『aLaunch』の挙動がおかしくなってしまったのですよ。もともと開発は止まっているようで、『El Capitan』上でもやや謎の挙動を見せているところはあったのですが。『High Sierra』で使えなくなりました。キーボードショートカットでLauncher Menuが出てこなくなりました。指が『Alt + M』でMenuが出て来るのを完全に覚えておるのですが、『High Sierra』一瞬Menuが出て消えてしまうのですよ。メニューバーのアイコンをクリックすれば良いのですが、面倒ではないですか…。

理由其ノ参:『APFS』は以前のMacで読めない

ターゲットディスクモードにして、ThunderboltだとかFireWireでMac同士をつなげてあれこれすることが、たまにあるのですよ。主にトラブル発生時の最終手段ですが。読めなかったんですよ。『El Capitan』のMacで『APFS』のファイルシステムが。これはね、実はひょっとしたら読めるのかも知れない。物理的にFireWire 800をThunderbolt 2に変換していたので、その辺りが原因なのかも知れませんが。とにかく僕がやったときは『High Sierra』にしたMacをターゲットディスクモードで起動すると、『El Capitan』のMacからは外部ストレージとして認識してくれませんでした。有事の際の心の拠り所がなくなるワケですよ。

理由其ノ四:その他メリットが感じられなかった。

上記上げましたが、正直些細なところなんですよ。覚悟を決めれば、慣れ+工夫で乗り越えられそうな点ばかりです。今はMacで仕事はしていないので、ローカル環境でのvirtual hostなんて動かなくても全然問題ない。NASもクラウドストレージのみで事足りている。家のMacを全部『High Sierra』にしちゃえばターゲットディスクモードも全然問題ない(はず)。だから新しいOSを受け入れられないワケではないのですよ。でもね、『些細な不便に目をつむってまで新しいOSを受け入れる理由』が特になかったのです。ああ、『High Sierra』はこれ良くなったわ!って感じさせる点が何もなかった。

『El Capitan』のときはあったんですよ。コンテクストメニューを表示させたときに、optionを押すとファイルのパスをクリップボードにコピーできるようになった。以前はAutomatorをサービスの中に組み込んでパスを取得していたけど、やっぱりそのあたりはOS標準機能で実現していたほうが良い。その一点だけで『El Capitan』を受け入れたワケなんですよ。『High Sierra』にはそういうの1個もなかった。まぁ時間かけてじっくり向き合ってイイとこ探してあげればあると思うんですが、もう面倒なんですよ。便利になるかもしれないって不確定要素がメインの理由でOS変えるのは億劫なんですよ。

少し前は違った。『Jaguar』、『Panther』、『Tiger』、『Leopard』あたりは可能性を感じさせてくれる『何か』が確かにあったので金を払ってまで無条件で受け入れた。『Mountain Lion』あたりからそれがなくなって、『Mavericks』でお腹いっぱいになってしまった。Win XPのサポート終了の影響で、会社から支給されたMacが『Yosemite』だったからソレは使った。『El Capitan』はファイルパスが取得できるようになったから使った。なんかもう『カッチリした理由』が1つでもないと、OS乗り換えたくないんですよ。

カッチリした理由?そんなのは『Apple様の意向に従う』ソレだけで十分じゃないか?そうなんです。Macと付き合っていくならいずれはAppleの方針には付き合っていかなきゃならないんですけどね。『せきゅりてぃほーる』なんて大義名分もありますから。ええ、わかっているのですよ。だから5〜6年以内には感圧トラックパッドを搭載したMacBookでも買います。そしたら、新しいOSのリハビリをすることにしますよ。それはでは『El Capitan』で決まりです。

以前は発展途上だったIT業界も完全に成熟しているので。少し前は5年前のマシンでは話にならなかったけど、今はMac/PC1台買ったら10年は使える、そんな時代になったのだと思うのですよ。今2017年でしょ?我が家ではMacBook Pro Late 2008がSSD化 + Memory 8GB化だけで全然現役で動いてますから。

IT機器も高齢化時代に突入なんだろう。