財布をなくした

財布をなくした。財布といっても小銭入れだ。現金はあまり入っていない。多分合計1000円未満だろう。カードも免許証も定期も入っていない。ただ家と車の鍵が入っていたが、財布に入れていたのは予備だったので致命的ではない。財布をなくした割には生活へのダメージは少ないが、メンタル的なダメージはある。朝の通勤時、新富町の駅でPASMOのチャージをする際にカバンの中で該当の物件を見た気がするが、その時は長財布の中にあったお札を使った。でもその時に無くした以外考えられない。

夕刻、駅に行って遺失物として届いているか調べて貰い、駅前の交番に届けも出してみたが、現時点では所在は明らかになっていない。

財布をなくした際、手元に戻るか否かの確率は、その町のモラルのバロメーターではないかと思う。僕もそうだが、現金が入った財布を拾った際、心の中で善意と欲望が試合を行う。どっちが優勢かは、入っていた金額にもよると思うが、自分は欲望に負けないニンゲンであると信じたい。どんな善人でもその試合は行われるのではないかと思う。善の要素が強い人は欲望をあっさり斬り捨てるが、お金に困っていたりすると、欲望の言いなりになっていまう。僕の財布を拾った人も、心の中で善意と欲望が試合をしたのだろう。あっさりと欲望が勝利したのか?どんな人なんだろうか?小銭を物品に交換した後は、僕の財布を愛用するのだろうか?そうだとしたら、僕の財布を大事に使って欲しい。

閑話休題

落とした財布が持ち主の手元に戻ると言うことは、その町は欲望の言いなりにならない人が多く住んでいる、ひとつの目安になるのかも知れない。

僕の財布は出てこなかったので、中央区新富の町のモラルレベルはイマイチなのかも知れない。以前、知人が財布を落とした際には、交番に届いていた。僕の住んでいる大泉学園は捨てたものじゃないのだろう。

そんな事を考えながら帰宅して、家内にその話をすると、その財布、掃除をしているときに家の中で見た気がすると言う。僕が家に忘れただけなのかも知れない。そうだとすると、新富の町はモラルがイマイチだなんて、とんでもない濡れ衣を着せられた事になる。僕の財布を拾ったと仮定した人物にも、欲望の言いなりになっただなんて失礼な事を言ってしまった。まったく申し訳ない。自分の身勝手さに溜息がでる。

財布をなくしてから一晩思いを巡らせているが、まだ所在はわからないままだ。