コニカミノルタプラザ 閉館

コニカミノルタプラザが閉館してしまった。同社は2006年に写真事業から撤退して、αのブランドはSONYに引き継がれることになって、いままでのカメラサポートはケンコー・トキナーが行うらしい。でもギャラリーとしてコニカミノルタプラザだけは存続していた。

新宿にはニコンプラザ、キヤノンのギャラリー、オリンパスプラザもあるけど、カメラを作っているメーカーのギャラリーだとどうしてもそのメーカーの色が強くなる。コニカミノルタがカメラを作らなくなったことは残念なんだけど、ギャラリーとしてはカメラメーカーとしてのシガラミがなくなったのは良いことなのではないか。

以前、プラザを訪れたお客さんが、受付の人に『この写真はなんのカメラで撮っている?』と、ちょっと訳知りなふうに聞いていたことがあった。受付の人の返答が印象的で『ここは写真展ですので機材に関するご質問にはお答えできません』とのご返答を差し上げていた。作品に関する感想だとか意見だとかは、アレが良いだとかコレが感慨深いだとか結構雑談に乗ってくれるのに対照的だ。

そうだ、ここは純粋なギャラリーなんだ。被写体をレンズとカメラというフィルターを通して作者が心が感じた像を見に来ているんだ。作者の感情を想像するのは良いんだけど、通過点のカメラのことを必要以上に気にするのは趣旨が違う。メーカーのギャラリーだと通過点のカメラを気にしてもらわないと困るのだろうが、そこは大きな違いだ。コニカミノルタプラザはそこじゃない。

まぁしかし時代は止まることなく流れており、写真事業撤退から10年の節目で閉館が決定してしまった。とても残念なことだ。

最後の日、2017年1月23日には僕も足を運んだ。多くの写真愛好家や関係者たちが閉館を惜しんで最後のギャラリーを見届けにきていた。入り口のロゴの周りには、ペイントマーカーが用意されていて、自由にメッセージを書き込めるようになっていた。僕も思いの丈を書き込んできた。

きっと、コニカミノルタプラザで人生変わってしまったヒトなんかも結構多いのだろう。僕も仕事で悩んでいるときなどにここに来て、世界の広さと発想の自由さを再確認して安心して業務に戻ったものだ。閉館は本当に残念でならない。

いよいよ19の閉館時間が迫ってきました。その時が近づくにつれ閉館を惜しむヒトが増え続けています。最後にその場にいた方々で集合写真を撮りました。

関係者のみなさま、いままでありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。