デジタルの海

デジタルの自社サービスが欲しいらしい。まったくもってどこかで聞いたような話だ。

話を聞いてみると、どこかが別会社が提供しているマーケティングオートメーションだとか、Webサービスだとかを組み合わせて使う事によって、自社のサービスと定義するようだ。これも輪をかけてどこかで聞いたような話でうんざりする。具体的な内容を聞いてみると、大分抽象的でもやもやした案件だ。

多分、日本中、世界中の企業がデジタル錬金術の仕組みを作ろうとしている。理由はそうしていかないとやっていけないから。僕の務めている会社も、そもそもは印刷会社で、そっちだけじゃ立ち行かなくなってしまってデジタルの世界にも足を突っ込んで、それをどうにか起死回生の一撃にしようとしている。

スティーブ・ジョブズだとか、ビル・ゲイツだかは、はたまたIBMだかGoogleだか、デジタルの大津波を起こした。デジタルネットワークという大津波は全てを飲み込んで、海になってしまったようだ。その海の中を僕らはデジタルデバイスという船だか潜水艦だかでひたすら泳ぎ回っているワケだ。

でも残念ながら一向に景気はよくならない。むしろデジタルという猛毒にやられてしまって、世界中の企業はヘロヘロに疲弊しているようだ。いや、デジタルの海に沈んでしまった企業は海の底で呼吸ができなくて苦しんでいる。一部の、デジタルという波に上手に乗れる船を作れた企業は、かろうじて呼吸ができるポジションにいるようだ。でもほとんどの企業は海の底に沈んでいるのではないか。

僕らの急務はデジタルの海の底から這い上がる為の船を作ること。いきなり船が無理ならひとまず水面上から空気を取り込めるシュノーケルでもいい。はやく作らないと、水面下の企業はみんな死んでしまうに違いない。