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ブログだとか動画だとかで錬金を画策している方々は、まず何かを買う。出来るだけ話題性のある、旬なアイテムが効果的だ。新型iPhoneとか。多分物欲が背中を押してくれて、財布の紐は更に緩む。旬なアイテムだけに検索にも引っかかり、PV数も伸びる。すると広告バナーの表示回数やクリック率も上がって小銭が生まれる。じゃ僕も何か旬なアイテムを買えば良いんだけど、困ったことに物欲が弱まってきていて、身代金を納めてまで家に連れ帰りたいアイテムというのがなかなか無い。これも老人力の一種だろうか。ありがたくもあるが、困った事でもある。

それならいっそのこと、買わないブログでどうだろうか。つまり、欲しくないのだ。欲しくないと言うと嘘になるのかも知れない。現にくれるといったら欲しい。カメラとか、時計とか、Macとか、買ったけどやっぱりいらないから誰か貰ってくれないかな?なんて人がいたら、率先して貰いに行こうと思う。でも心血注いで得たお金を差し出して、身代金を払うかというと、そこまでする義理はないモノばかりなのだ。

世間はデジタルモノで溢れている。以前の僕はデジタルの虜だったので、なんでも電気で動いているモノに魅力を感じていた。世間も電気で物理的に動く、いや思考すらも動かすモノが『高性能』だと謳っている。今は『高性能』の定義が昔とは異なるのだ。昔の高性能の条件といえば、『単機能』、『高性能』、『丈夫で長持ち』。その辺りが関の山だったと思うが最近は違う。『単機能』、『丈夫で長持ちあたり』が条件から外されて、代わりに『多機能』が猛烈な勢いで追い上げてきている。本業を押しのける勢いだ。隠れて『短寿命』も追加されている。

デジタルカメラなんて、画像の編集ができる、SNSに投稿ができる、動画も撮れたりする。ビデオを撮っているプロの方々なんかが、デジタル一眼レフを使っているなんて話もよく耳にする。パソコンやスマートフォンなんて多機能過ぎて何が本業なのだかよくわからない節操のなさだ。そして2〜3年で調子が悪くなる。いわゆるソニータイマーだ。今のデジタルモノには標準装備されている。

壊れてくれないと、新製品が売れないから企業は困る。それはわかる。でも10万もするモノ、2年毎に買い換えろと?靴だって鞄だって、10万したらまず10年だろう。2年で壊れたら、それは不良品だ。でもスマートフォンやパソコンに代表される『デジタルモノ』には『2年寿命設定』がまかり通っている。大切に使って、ハードウェア的な傷みがなかったとしても、アップデートに対応てきなかったり、新しいクラウド型サービスから締め出しを食らったりして、ソフトウェア的に村八分にされる。

まったくふざけた話だと思う。だから、デジタルモノに身代金を積みたく無くなってしまうのだ。

逆に機械式のモノには憧れる。人体にも使用期限があるからか、なんとなく永遠に憧れる。もちろん、永遠なんてモノに耐えられるのは宇宙時間くらいしかないが。しかし機械式のモノは修理をし続ければ、永遠とまでいかなくとも、オーナーの人生の使用期限くらいは動き続けてくれる。メンテナンスフリーで永遠は苦痛以外の何物でもないが、